Journal Room

過去の記録は、

時間の移ろいの中で、

静かに意味を変えていきます。


いまのあなたに近い一篇から。

いま、あなたの時間に近い記録。
通っているはずのものが、残る。
消えない輪郭が、場をつくる。

ひらく
理由の前に滲む水。

ひらく
笑っている言葉の中に、
外に出なかった感情が残る。
ひらく
似ているのに、
本人が見えなくなるとき、
そこにはすでに別の像が立っている。
ひらく
初めてなのに、
知っている感覚がある。
ひらく
その瞬間、
意志は表情ではなく、目に現れる。
ひらく
どれだけ演じても、
そこから外れることはない。

重なっていく役が、
その人の輪郭をつくる。
ひらく
近づくほど、
輪郭が薄くなる関係と、
触れるほど、
澄んでいく関係がある。
ひらく
整った言葉の前に、
まだ触れきれていない状態が残っている。
ひらく
表現の揺れは、
内側の揺れの形である。
ひらく
空気は、時間より先に変わる。
ひらく
声とメロディーが重なる瞬間、
夜の空気が生まれる。
ひらく
整っているのに止まらないものと、
整っているのに終わってしまうもの。
その差はどこで閉じたかに現れる。
ひらく
時間が過去を終わらせるのではない。
意味が届いたとき、やっと終わる。
ひらく
出せないのではない。
出すことに、わずかな抵抗がある。
ひらく
引き寄せながら、入らない。
その矛盾が、表現に残る。
ひらく
同じ表現でも、
触れるたびに温度は変わる。
ひらく
行為は、時間の中に置かれたとき、
はじめて位置を持つ。
ひらく
同じ俳優だと気づかないまま
見てしまう瞬間がある。

そこには、俳優ではなく
人物が立っている。
ひらく
同じ言葉を話しているはずなのに、
声だけが違う瞬間がある。
ひらく
動きではなく、触れ方にでるもの。
ひらく
声の高さや、間の取り方。
その人が世界に触れるときの感覚は、表現の中に静かに残ってしまう。
ひらく
同じ言葉でも、
人はそれぞれ違う層を見ている。
ひらく
誰かの出来事が、
自分の未来に少しだけ触れてくる。

ひらく
揃っている言葉より、
ずれた選び方の方が正確なことがある。

ひらく
気づかれないまま、
残る表現がある。

ひらく
演出ではなく、
その人に触れてしまったもの。

ひらく
目は、
ときどき言葉より先に人を語る。

ひらく