与えられた運命が、

自分の結末まで決めるわけではない。


どう在りたいか。

そこから、次の選択が始まる。

中島健人さんは、
日々、その輪郭を濃くしている。

作詞に参加した『鬼事』には、
中島さんの在り方と重なる認識が、
現れていた。

自分がどう在るかと、
何を選ぶか。

そのつながりに、

存在感の根拠がある。

運命に、結末を決めさせない

人は、
現実を見ながら、願いを決めていく。

できること。
置かれた場所。
与えられた役割。

それらを知るほど、
願いの方を現実へ近づけていく。

けれど、
『鬼事』に現れているのは、
その逆の順序だった。

『鬼事』は、
アニメ『逃げ上手の若君』第2期の
オープニングテーマとして書かれた。

中島さんは、
sabioさんとともに作詞に参加している。

『逃げ上手の若君』は、
鎌倉幕府の滅亡によって
すべてを失った少年が、

「逃げる」ことを武器に、
再び天下を取り戻そうとする物語である。

逃げる。

生き延びる。

時を待つ。

その物語を受け取った歌詞は、
ただ、
逃げることを許すものではなかった。

今は退くとしても、
目指すものまで手放さない。

人からどう見られても、
望む未来へ向かうことをやめない。

そして、

「咲かぬなら咲かせましょう」

そこにあるのは、
与えられた運命を、
そのまま自分の人生にしないという意志だった。

幕府が滅びたことは、
変えられない。

追われる身になったことも、
自分では選んでいない。

けれど、

その出来事によって、
これからどう生きるのかまで
決められる必要はない。

だから、逃げる。

逃げることで、
運命に結末を決めさせない。

生き延びることで、
まだ続きを選べる自分を残す。

時を待ち、
その先で、

自ら花を咲かせにいく。

先に、どう在りたいかがある

この歌では、
外側から与えられたものと、
自分がどう生きるかが、
分けて捉えられている。

何が起きたかによって、
自分の在り方を決めるのではない。

先に、
どう在りたいかがある。

その在り方を基準に、

逃げるのか。

待つのか。

戦うのか。

何を選ぶのかを決めていく。

だから、

咲かないのなら、
咲かないままを受け入れるのではなく、
自分で咲かせる。

与えられた運命があるのなら、
そこへ自分を合わせるのではなく、
自ら働きかけていく。

その起点は、

いつも内側にある。

自分が信じたものとの、約束

そして、その内側には、
自分だけがいるわけではない。

この歌では、
自分を信じてくれた人の存在も、
生きる方向を支えている。

自分が掲げた夢。

目指すと決めた場所。

自分を信じた人。

支えてくれた人。

一度、
自分の内側で引き受けたものを、
外側の状況によって手放さない。

それは、
前へ進み続けることだけを
意味しているのではない。

逃げてもいい。

待ってもいい。

思うような姿でいられなくてもいい。

守っているのは、
格好よく見える自分ではない。

自分が信じたものとの約束である。

自分を縛る思いも、携える

だからこそ、

「呪いにも似た思い」

という言葉が残る。

夢や理想は、
いつも人を自由にするとは限らない。

こうなりたい。

ここへ行きたい。

こう在りたい。

強く願ったものほど、
自分自身を縛るものにもなる。

それでも、
その思いが
自分をこの生につなぎ止めるのなら、

手放すのではなく、
携えて生きる。

この歌には、

その選択が描かれている。

在り方が、輪郭になる

自分の内側に、
「こう在る」を持つ。

その在り方が、
選択の基準になる。

同じ基準から選択を重ねることで、
その人だけの核ができる。

核は、
やがてその人の輪郭になる。

人の存在感は、
目立つことから始まるのではない。

外側に合わせることをやめ、
自分の在り方から選び始めたとき、

その人という存在が、
立ち始める。

『鬼事』に現れていたのは、
運命を変えようとする
強さだけではなかった。

何を与えられても、

自分がどう在るかだけは、
自分の内側から決める。

そこに、
中島健人さんの在り方が重なる。

自分が選んだ在り方へ、
現実を近づけていく。

その選択の積み重ねが、
中島さんという存在の

輪郭をつくっている。

Sources / References


Music / Lyrics
『鬼事』
中島健人
作詞:sabio・Kento Nakajima
作曲・編曲:sabio
『鬼事 / Fiction Love』収録|2026年8月19日発売
歌詞掲載:歌ネット

Official Information
『鬼事 / Fiction Love』リリース情報
ソニーミュージックオフィシャルサイト|2026年7月4日

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